肥満の原因は脂質ではなく糖質の摂り過ぎ!脂質の代謝過程からわかる事は?
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肥満の原因は脂質の摂り過ぎではなかった。
高脂質の食事を続けたら肥満になってしまう?
「糖質制限食を実践するに当たり、高脂質の食事を続けたら肥満になってしまうのではないかと思いますが、心配はないのでしょうか?」
というご質問がありました。
結論から言うと、人間の生理的なメカニズムからいって、心配はいりません。
肥満の原因は脂質のとり過ぎというのは誤解です。
例えば、ステーキを食べても太りません。
参考記事⇒脂質・脂肪酸の種類と働きは?構造は?「脂質を食べたら太る」は大きな誤解とは?
糖質制限食は糖質の割合を減らすために、相対的に脂質の割合が高くなってきます。
長年の問、脂質の摂り過ぎが肥満を招くといわれてきましたから、糖質制限食で太ってしまうのではという疑問は当然だと思います。
脂質を減らしたのに肥満は倍増した?
かつてアメリカで、脂質の摂り過ぎが肥満の原因だと疑われた時期がありました。
そのため、国を挙げて啓蒙活動に取り組み、1971年から2000年までの30年間で脂質の摂取比率を36.9%から32.8%と4.1%減少させることに成功しました。
ところが、意に反して、1971年には14.5%だった肥満率が2000年には30.9%になり、30年間で肥満は倍増してしまったのです。
2010年には35.9%とさらに悪化しています。
つまり、脂質の摂取比率を減らしたら、肥満を減らすどころか、逆に増やしてしまう結果となってしまったのです。
これは、脂質の摂取量と肥満率に因果関係はなかったということです。
肥満の原因は炭水化物(糖質)の過剰
肥満の原因は脂質の過剰ではなく、糖質(炭水化物-食物繊維)の過剰摂取だったのです。
実は、肥満が増え続けていたこの期間、脂質の摂取比率が減少する一方で糖質の摂取比率は42.4%から49.0%と6.6%増えていました。
そのため現在では、肥満の原因は脂質の過剰ではなく、糖質の過剰ではないかと考えられるようになりました。
参考記事⇒5大栄養素の役割とは?糖質の摂りすぎで太るメカニズムとは?
なぜこのようなことになるのでしょうか。
これは、体内での脂質の代謝という生理学的な見地から考えれば明らかです。
脂質の代謝 過程からわかる事は?
物として脂質が摂取されると、小腸上皮から吸収されます。
食物中の脂質はほとんど中性脂肪ですが、小腸でダリセロールと脂肪酸に分解され、吸収されると再び中性脂肪に再合成され集合します。
この集合体は、キロミクロン (中性脂肋が積み荷) と呼ばれ、リンパ液に瞬時に入り、リンパ管に拡散し、他の場所へ輸送されるのです。
キロミクロンは、胸管を上行し鎖骨下静脈内に移行します。
鎖骨下静脈に入ったキロミクロンのほとんどは、肝臓、あるいは脂肪組織・筋肉組織などの毛細血管を通る間に、毛細血管壁にあるリポタンパクリパーゼにより、その積み荷の中性脂肪は、脂肋酸とグリセロールに分解されます。
その分、中性脂肪は血液中から取り除かれます。
脂肪酸は、筋肉細胞などでエネルギー源として利用されます。
このような代謝の過程で明らかなように、食事で摂った脂質がそのまま中性脂肪として血中に残り続けるのではなく、ほとんどがいったん脂肋酸とダリセロールに分解されるのです。
人間の体は食事で脂質をたくさん摂れば、それだけ血中の脂質の状況が悪くなる、といった単純なシステムにはなっていないということです。
蓄えられるのはエネルギーとして利用されなかった余剰分だけですし、血中の中性脂肋を増やしてしまうのは、別の原因によるものです。
それが、糖質の摂り過ぎです。
ダイエットアドバイザーのコメント
ところが、この事実を知って糖質制限を実践したら、数ヶ月で肥満も糖尿病も改善することができました。
この記事の脂質代謝のプロセスは複雑でわかりにくいかもしれませんが、「脂質を摂っても太らない」というのが私の実感です。
なお、麺好きの私は、今では補助食品の大豆麺ソイドルを利用してストレスなく糖質制限を継続中です。
